当プロジェクトで飛行予定のゼロ戦52型(機体番号:N46770、部隊識別番号:61−120)は、現在カリフォルニア州にてオーバーホール中で、パイロットを務める野口武彦氏自ら機体の整備を行なっております。事務局より、現在の整備状況ならびに今後の予定についてお知らせいたします。
「アビエイタープロジェクト」にて飛行予定のゼロ戦52型は、現在アメリカ・カリフォルニア州のプレーンズオブフェイム航空博物館にて分解整備を行なっております。
このゼロ戦52型は、昭和53(1978)年に復活飛行を行ない、それから年2回のイベント飛行を行なってまいりました。それから40年近くが経過し、機体の老朽化が限界に達したため、2013年に埼玉県所沢市にて「所沢航空発祥100周年」を記念して展示され栄エンジンの始動を行なったあと、機体を分解してのオーバーホールに入っております。
整備内容としては、機体を分解したのち塗装を剥離し、ジュラルミンのサビ取りおよび亀裂の修復等を行ない、ヤスリによる研磨を行なったあと、再度塗装し組み立てるという工程になります。
オリジナルの金属部品は製造から70年が経過しているため薬品が使用できず、サンドペーパーによる手作業で塗装の剥離を行なっております。フラップ1枚を研磨するのに3日間がかかる、気が遠くなるような作業ですが、当プロジェクトでパイロットを務める野口武彦氏自ら、整備作業に参加しております。
その他、栄エンジンはもちろん、操縦系統のワイヤー・着陸装置・緩衝装置・フラップ・コックピットの計器・内装についても、これまで行なってきたオーバーホールとは異なり、より細部まで当時の仕様を再現するよう心がけております。
現在、エンジン・着陸装置・緩衝装置のオーバーホールは終了し、尾翼の取り付けも完了し、操縦席の整備もまもなく完成する段階です。
全部品のオーバーホール完了後、機体の組み立てを行ない、走行試験(タキシングテスト)を行なった後、試験飛行に移行する予定となります。
当初は、遅くとも今年12月の真珠湾攻撃74周年に合わせて記念飛行できればと考えておりましたが、ゼロ戦の安全な飛行を再優先に考えた結果、このような大規模なオーバーホールとなりました。引き続き入念な整備を行なってまいりますので、何とぞご理解くださいますようお願い致します。
今後のスケジュールにつきましては、当サイトにて随時ご案内させていただきます。皆様におかれましては引き続きご声援を賜りますようお願い申し上げます。
ゼロ戦52型の整備状況について
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